★平成16年8月9日(月):物流ウィークリー新聞(3面)
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「環境に優しい荷崩れ防止ネット『MMパネット』、大手荷主が注目」

荷崩れの防止や荷役作業の合理化にストレッチフィルムを使用する運送事業者は多い。しかし、ISO14001の取得など環境保護活動を展開する運送事業者にとって、「使い捨て」は悩みのタネだ。そんな環境優良企業をめざす運送事業者に喜ばれる新たな製品が開発された。建設工事用シートの製造を手がけるマルエム(大阪府松原市)と大証2部上場のモリト(大阪市中央区)が共同開発した荷崩れ防止ネット『MMパネット』だ。
建設現場で使用されるネットを転用し、フィルムの代わりにパレット積み荷物を固定するというもの。繰り返し利用できるという環境適合性が認められ、すでに大手荷主企業からの引き合いも来ているという。開発を進めたマルエムの馬嶋健次社長と、販売を展開するモリトのGP(ゼネラルプロダクツ)関連事業部の北川郁夫氏に話を聞いた。
 『MMパネット』は昨年9月、北川氏がフィルムに代わる荷崩れ防止製品の開発を馬嶋社長に依頼したことがきっかけで製品化された。北川氏は、「自動車部品を配送している運送会社から、ISO14001を取得している配送先にフィルムの持ち帰りを指示され、その処分にかかるコストの増大に頭を抱えていると相談を受けたのがはじまり」と振り返る。「同業他社と比べて、はるかにフィルムの使用量が多いため、廃棄処分にかかる費用も含めるとコストは月間100万円を超えているとのことだった」。
その話を聞いた馬嶋社長は、「自社のノウハウが活用できるのでは」と考え、北川氏とともに製品の開発に着手。フィルムに代わるベルトなど、市場に出ている他メーカーの製品を研究し、「後発となるが、食い込んでいける可能性はあるのではないか」と自信を持ったという。これまでのシート製造での経験が活かせると判断したからだ。
同社では、試作品ができるたびに地域の運送事業者5社にモニターを依頼。「何でもいいから文句を言ってくれと頼み、試用してもらった」。モニター会社からは、「ドライバーは時間に追われている。簡単・迅速に使え、低コストのものでないと使えない」といった厳しい要望ばかりだったという。試行錯誤を繰り返し、同社長は『荷崩れ防止ネット』に辿り着く。「ヒントはみかんを入れているストッキングのような網。あれで閃いた」。
『MMパネット』は、建設現場で作業員の転落防止用として用いられ、社団法人仮設工業会が一級品と認定している特殊なネットを、パレットに積まれた荷物の上から帽子を被せるように包み込んで固定し、荷崩れを防止するというもの。積み上げに時に荷物の上部が凸凹でも、固定できるのが特徴。伸縮性も持つネットが左右から荷物を固定し、強い衝撃を受けたときでも荷崩れを防ぐ。さらに、3本の強靱なゴムがネットの上・下部と中央に編み込まれており、荷物をしっかりと固定する。特殊な原糸で編み込まれたネットだが、手触りは柔らかく、荷物を傷つけることもない。また、使用しないときは、付属の小さな収納袋に入れることで、傷みや汚れの付着を防げるだけでなく、コンパクトに収納できる。
同製品は7月に完成したばかりだが、すぐに、一般紙の記者が聞きつけ、両氏は取材を受ける。『MMパネット』の記事は、『ごみにならない荷崩れ防止ネット』と大きく掲載され、掲載日からモリトには荷主企業を中心としたさまざまな企業から問い合わせが来たという。
 馬嶋社長は、「ネットの扱い方にもよるが、大切に使って頂ければ5年は使用できるはず」とし、「1年間繰り返し使用すれば、フィルムにかかるコストと同程度となり、結果的にコスト削減につながる」と自信をみせる。北川氏も、「少なくとも初年度5000枚の販売をめざす」と意気込む。
同製品はパレットの高さに合わせ、SとLの2サイズで展開。価格はSサイズが八千円、Lサイズが1万円。
馬嶋社長は、「今後、ユーザーのニーズに合わせて改良を続けていき、業界に定着させていきたい」と語る。
技術的な問い合わせは、マルエム0723(30)5782番、
販売に関する問い合わせは、モリト06(6252)3558番(GP関連事業部一課北川氏)まで。
    (大西友洋)
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平成16年.12月12日号